詰将棋創作チョー入門(51) 第6回三手詰祭:結果発表(その3)

その3です。
今日も頑張ります。

例によって★がゲットした投票の数でございます。

第21問 springs b)46桂→25


b)

正解 33飛成、同玉、34角成まで3手詰\\
  b)14角成、同玉、13飛成まで3手詰

theme:ツイン

 同じ飛角玉の配置なのに桂馬の位置が異なるだけで、「飛を捨て角成まで」が「角を捨て飛成まで」に化けてしまうというのがジラヒの面白さ。創作技術の高さを競う感があって作家筋には受けるけれど、解答者へのアピールは今一つなのかもしれません。それぞれの筋で配置を絞った2作にした方がよいと感じさせないだけの完成度が必要なのでしょう。

 RINTARO bで2手目限定されていれば。
 ぎょうざパン うまい具合にツインが作れるものですね。
 高橋美鈴 初手の飛車成が詰み筋に誘う。b)大駒はきるもの
 竹中健一 46桂の配置がちょっと冴えないですね。ツインで出すのも微妙な気がしました。
 keima82 aではすべての駒が必要だがbでは不要駒がたくさんあるのが気になってしまいました。
 まつきち 今ひとつツインらしさに欠ける感ありだが、手順を文字にすると初手の捨駒と詰上りがa「飛→角」とb「角→飛」となっているのでまずまずなのでしょうか。
 占魚亭 Zilahi(ジラヒ)。ツインらしいツイン。

第22問 風みどり

正解 35歩、33玉、34歩まで3手詰

theme:歩を突く。

 歩を2つ突くだけで詰み–果たしてそれで詰将棋になるかどうか。一旦角道を塞いで次に開くようにしようと考えたのですが配置と作意のバランスから結局33銀を配置することにしたので当初の狙いは達成できませんでした。★★

 松崎一郎 一歩を踏み出す
 keima82 やはりこのパターン。
 RINTARO 2手目33玉は34歩。
 高橋美鈴 丁度よく角が効いてくる。
 springs 詰上りの利きが複雑に感じました。
 negitarou 二手目(3三玉)の手順が好きです。
 占魚亭 14角のラインを開けて移動場所を作る。
 竹中健一 どちらが作意だろう?どちらもいい味の詰め上がり。
 まつきち 連続歩突きが好手順。10番も捨てがたいですが、こちらは角の利きが面白い。
 空貴人 2手目の変化で、駒の働きと景色が大違い。この妙味が好んで表現されるのは3手詰ならでは?  ※長手数の作品においては、スッキリした収束が好まれるならば、最後の大きな変化は避けられるのではと思います。一方、超短手数の詰将棋作品では、玉方の応手によって詰上がりが大きく変わることが作品の価値であると感じました。本作品は、2つの詰上がりでそれぞれの駒の役割が全く変わっているところに驚きがありました。

 作意は2手目33玉なのですが、そうすると48桂が働いていないのが残念です。57角を馬にすれば48桂は不要になるのですが余詰が……あれ? 余詰があったはずなのですが? どこいった?

第23問 シナトラ

正解 27飛、\(\begin{cases}同馬、66金まで3手詰\\58玉、65金まで3手詰\\56玉、57飛まで3手詰\end{cases}\)

theme:ピンが外れれば66金、58玉でピンを維持してくれば65金(pelle move)

 66金までの1手詰に見えますが、54馬に王さんを素抜かれて失敗。では65金は56玉と躱してギリギリ耐えています。このような解説をせずとも27飛はいかにもやってみたい手で、ほとんどの方はまず28飛に手がいったのではないでしょうか。さてそこからの変化を楽しむのがシナトラ作品です。★★★

 竹中健一 この初手は指しにくい
 RINTARO 2手目58玉は65金。
 高橋美鈴 馬筋逸らして王手回避。
 springs アンピンしたりしなかったり。
 まつきち 65金で一苦労。手数表示が大ヒント(笑)
 negitarou 二手目(5八玉)の手順が好きです。(金が馬に近づくのが面白い。)
 占魚亭 自玉への睨みの有無でバッテリーの開き方が変化。この一手ではあるけど65金がかっこいい。
 keima82 取っても逃げてもピッタリ。△74桂の意味だけ分かりませんでした。

 最終手余詰を消した駒では?

第24問 シナトラ

正解 56金、\(\begin{cases}同金、86龍まで3手詰\\同桂、42龍まで3手詰\end{cases}\)

theme:ピンする駒(pinner)の位置が変化する2種のピンメイト

 47香が取られそうなので初手はほぼ必然手。ここからの変化が見せ所。星を集めました。★★★★★★★

 竹中健一 面白い詰め上がり。
 RINTARO 2手目同金は86龍。
 占魚亭 取る駒の違いで開き方が変化。
 keima82 金で取ると縦に、桂で取ると横に。
 ぎょうざパン 「逆王手で不詰」と思ったら(笑)
 空貴人 42龍で金をピンして合い利かずを実現
 ひっぽ 縦横のピンメイト。いかにもシナトラ氏らしい作品。
 negitarou 同金なら横から、同桂なら縦から攻める。(移動距離は、4マスで共通。)
 川石隆志 逆王手対策には金をピンしておけばいいことに気が付くまでに少々時間がかかった。
 まつきち 同桂なら42龍。両王手のフィニッシュもいいが、この合利かずの詰上りもイイ感じ。
 springs 初手が捨駒なのがいいですね。「44桂がいなくなったら45金をピンできるようになる」という仕組みは結構遊べそうに感じました。

第25問 springs

正解 21香成、19歩成、22龍まで3手詰

theme:香の最遠移動

 香を開けば間駒は効かないので92玉ならば99龍まで。したがって2手目は(19)同歩成の一手。で残り一手で詰ますには……初手は21まで香を進めておく以外ありません。スッキリした初形で香の最遠移動を実現しました。

 松崎一郎 途中停車不可
 竹中健一 定番の最遠移動
 RINTARO 3手目を見越した最遠成。
 占魚亭 龍の移動場所を作るために最遠成。
 高橋美鈴 初形から怪しさ満点。ダイナミックに詰ます。
 まつきち 92玉、82角成を入れた5手詰に出来そうな手順。
 keima82 中合もちらつきましたが、▲99竜までの変化の時に意味がないので無駄合いですね。上手い。

第26問 シナトラ

正解 54龍、\(\begin{cases}44龍、45金まで3手詰\\44角、33金まで3手詰\end{cases}\)

theme:Schiffmann defenseのダブル

 54龍と平凡に寄せれば次は24とまで駒余りの詰み。それでは駒余りにさせない玉方の受けはいかに? という問題です。★

 松崎一郎 一瞬固まる
 占魚亭 ピンメイト2種。
 高橋美鈴 一間龍は最強ですね。
 RINTARO 2手目44龍は45金。
 ぎょうざパン 応手探しに手間取りました。
 negitarou 初手で4三の地点への脱出を防ぐ。
 ひっぽ 2種類の移動合。これもシナトラ氏らしい。
 竹中健一 44龍と44角は変同になってそれ以外は×なのかな
 まつきち 16番と似た味。44龍の移動合が出る筋かと思った。
 keima82 当たり前の▲54竜が何故か盲点に入りました。△57角は必要?
 springs 24に利かす移動合×2。こんなに軽い形で実現できるのですね。

作者 第5回三手詰祭の第22問で実現した「Schiffmann defenseのダブル」ですが、2つの移動合を同じ意味付けにすることができました。紛れが減ったため解答者視点ではつまらなくなってしまった?ただ本作にも2歩で逃れる筋があります。

 Schiffmann defenseとは「自らピンされにいく」という一見矛盾した受け。本作ではいずれも24への自駒の利きを通すためという理由付けで実現しています。短評を読む限り解答者には伝わりにくい狙いだったようです。

第27問 springs

正解 65銀、\(\begin{cases}同銀、44金まで3手詰\\同馬、45金まで3手詰\end{cases}\)

theme:\(ピンメイト\times2\)

 玉を馬銀の2枚で守っているように見えますが、57香がいるので実は実質1枚の守り。どちらかを動かしてあげれば詰むということですね。

 高橋美鈴 焦点の銀。
 ぎょうざパン 初見は45からですね
 RINTARO 2手目同馬は45金。
 竹中健一 王手がいろいろあって迷う
 keima82 △67角が働かないように。
 まつきち 同馬に45金が見えず苦戦。
 占魚亭 どちらで取ってもピンメイト。

第28問 springs

正解 45龍、\(\begin{cases}同と、57龍まで3手詰\\66玉、77馬まで3手詰\\47玉、36馬まで3手詰\end{cases}\)

theme:ピンメイト×3

 龍馬4枚に囲まれている形。45馬、66玉、77馬……と王手は続くが決めるには龍の捨駒が必要だった。★★★★

 空貴人 複雑に凝集
 占魚亭 ピンメイト3種。
 竹中健一 龍馬の配置が面白い。
 RINTARO 2手目47玉は36馬、66玉は77馬。
 ひっぽ 3種類のピンメイト。今回ピカイチの手順。
 negitarou 初手が絶妙手ですね。一間龍の手筋が光ります。
 高橋美鈴 46の邪魔なと金を逸らして大駒が綺麗に効きますね。
 まつきち どの順を書こうか迷った(笑)47玉も66玉も捨てがたい。
 keima82 滅茶苦茶余詰みそうですが、桂馬の効きで耐えてますね…。作図大変だったと思います。

 筆者はいまだにピンメイトの面白さが理解できていない。わざわざピンメイトと命名する意味もそれを狙いとする気持ちも分からない。例えば次図……これはピンメイト1種なのか3種なのかそれも分からないけど、面白くもなんともないことだけは分かる。

 本作は紐付きの龍の捨駒に変化2つが対称的で面白いのだが……どなたか筆者を納得させる面白さを持った作品を見せて欲しいと願っている。

第29問 keima82

正解 22香成、37香成、41香成まで3手詰

theme:全着手同一駒

 27香を開けば37香成と飛車を抜かれるのは必然だからあと1手で71角を使って詰ます必要がある。21飛が71角の素抜きを、11角が44合を目論んでいる。2枚の香で1つずつ対処していけば正解ということ。★★

 松崎一郎 シャンシャンシャン
 占魚亭 香(成香)の盾2つ。
 springs 寸止めの初手がいいですね。
 竹中健一 最終手だけ成限定。これは仕方ないか。
 RINTARO オール香着手。成不成非限定は致し方なし。
 negitarou 全て香車。角道遮断からの、飛車の横利きを遮断!
 高橋美鈴 面白いです。焦点の香成、駒を取るが角筋を開けてしまう香成、開き王手の香成。
 まつきち 全着手香。「全着手●」では本作が良い。71角を取らせて21香成の展開は無理かな?

第30問 シナトラ

正解 26角、\(\begin{cases}同飛上、43とまで3手詰\\
同馬、43香成まで3手詰\\同飛寄、63とまで3手詰\end{cases}\)

theme:トリプルアンピン(飛・飛・馬)

 飛車・飛車・馬が72玉を狙っています。おかげで2枚のと金も香車も動かせない状態。26角でどれかが動けばどれかが復活するという仕組み。初手はミエミエで変化を楽しむシナトラ作品です。これを面白いと感じるかどうかの問題。さて解答者の声は。★★★★

 松澤成俊 まさに焦点の捨て駒
 竹中健一 こういうの好きじゃないなぁ。
 negitarou 三方向から狙われる王様(その1)
 RINTARO 2手目同飛上は43と、同飛寄は63と。
 高橋美鈴 初手は3つの大駒の効きを止める焦点の角。
 占魚亭 焦点に捨て、ピンが外れたラインの駒で仕留める。面白い。
 まつきち 3通りの応手が楽しめる。42とに紐がついているのがチョッピリ残念。
 keima82 もう見るからに飛車、飛車、馬の焦点に▲26角と捨てろと言っています。
 空貴人 ピンしている大ゴマ3枚の焦点に捨て駒。いずれかがアンピンされる流れ。
 springs 43と/43香だけ着手地点が同じなのが気になりました。最終手の着手地点を全部別にするには空間が足りないわけですね。

作者 第5回三手詰祭第15問でやったダブルアンピンを拡張したトリプルアンピン(飛・飛・馬)です。1変化でのみ登場する最終手余詰を消すために置かれた51歩の哀しさ。

※いよいよ明日は最終回!

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