詰将棋つくってみた(189)
 課題39:講評

Judge:護堂浩之

<はじめに>
「私がジャッジすると、昭和の評価軸に基づいたものになりますよ」と、風氏に念を押したところ、それで構わないとのことだったので、老頭児が鑑賞・判定することになった。過去データの蓄積はあるが、現代風のカテゴライズは出来ていない人間の偏見であることをお断わりしておきたい。
 従って、ここで批判を受けたとしても、昭和の人には分かってもらえなかったんだね――と思っていただければ、良いのではないか。

優秀作

第22問 馬屋原剛「シルバーシールド」

正解
31と右、22玉、27龍、24銀打、21と右、12玉、
17龍、13銀、11と、22玉、28龍、24銀上、
21と左、32玉、31と左、42玉、75馬、53と、
41と右、32玉、31と右、22玉、21と右、12玉、
17龍、13銀、11と、22玉、27龍、24銀上、
21と右、12玉、16龍、13銀、11と、22玉、
25龍、24銀上、21と右、12玉、14龍、13銀、
11と、22玉、21と左、32玉、65馬、43と、
31と右、22玉、25龍、24銀上、21と右、12玉、
16龍、13銀、11と、22玉、27龍、24銀上、
21と右、12玉、17龍、13銀、11と、22玉、
28龍、24銀上、21と左、32玉、31と左、42玉、
75馬、53と、41と右、32玉、31と右、22玉、
21と右、12玉、17龍、13銀、11と、22玉、
27龍、24銀上、21と右、12玉、16龍、13銀、
11と、22玉、25龍、24銀上、21と右、12玉、
14龍、13銀、11と、22玉、21と左、32玉、
76馬、43と、31と右、22玉、25龍、24銀上、
21と右、12玉、16龍、13銀、11と、22玉、
27龍、24銀上、21と右、12玉、17龍、13銀、
11と、22玉、28龍、24銀上、21と左、32玉、
31と左、42玉、86馬、53と、41と右、32玉、
31と右、22玉、21と右、12玉、17龍、13銀、
11と、22玉、27龍、24銀上、21と右、12玉、
16龍、13銀、11と、22玉、25龍、24銀上、
21と右、12玉、14龍、13銀、11と、22玉、
21と左、32玉、87馬、43と、31と右、22玉、
25龍、24銀上、21と右、12玉、16龍、13銀、
11と、22玉、27龍、24銀上、21と右、12玉、
17龍、13銀、11と、22玉、28龍、24銀上、
21と左、32玉、31と左、42玉、97馬、53と、
41と右、32玉、31と右、22玉、21と右、12玉、
17龍、13銀、11と、22玉、27龍、24銀上、
21と右、12玉、16龍、13銀、11と、22玉、
25龍、24銀上、21と右、12玉、14龍、13銀、
11と、22玉、21と左、32玉、98馬、43と、
31と右、22玉、25龍、24銀上、21と右、12玉、
16龍、13銀、11と、22玉、27龍、24銀上、
21と右、12玉、17龍、13銀、11と、22玉、
28龍、24銀上、21と左、32玉、31と左、42玉、
97馬、53と、41と右、32玉、31と右、22玉、
21と右、12玉、17龍、13銀、11と、22玉、
27龍、24銀上、21と右、12玉、16龍、13銀、
11と、22玉、25龍、24銀上、21と右、12玉、
14龍、13銀、11と、22玉、21と左、32玉、
87馬、43と、31と右、22玉、25龍、24銀上、
21と右、12玉、16龍、13銀、11と、22玉、
27龍、24銀上、21と右、12玉、17龍、13銀、
11と、22玉、28龍、24銀上、21と左、32玉、
31と左、42玉、86馬、53と、41と右、32玉、
31と右、22玉、21と右、12玉、17龍、13銀、
11と、22玉、27龍、24銀上、21と右、12玉、
16龍、13銀、11と、22玉、25龍、24銀上、
21と右、12玉、14龍、13銀、11と、22玉、
21と左、32玉、76馬、43と、31と右、22玉、
25龍、24銀上、21と右、12玉、16龍、13銀、
11と、22玉、27龍、24銀上、21と右、12玉、
17龍、13銀、11と、22玉、28龍、24銀上、
21と左、32玉、31と左、42玉、75馬、53と、
41と右、32玉、31と右、22玉、21と右、12玉、
17龍、13銀、11と、22玉、27龍、24銀上、
21と右、12玉、16龍、13銀、11と、22玉、
25龍、24銀上、21と右、12玉、14龍、13銀、
11と、22玉、21と左、32玉、65馬、43と、
31と右、22玉、25龍、24銀上、21と右、12玉、
16龍、13銀、11と、22玉、27龍、24銀上、
21と右、12玉、17龍、13銀、11と、22玉、
28龍、24銀上、21と左、32玉、31と左、42玉、
41と左、53玉、58龍、63玉、64歩、同金、
同馬、同玉、55龍、73玉、64金、84玉、
85龍、93玉、83龍、同玉、74金、92玉、
93歩、81玉、82金、同金、同桂成、同玉、
73金打、71玉、72歩、81玉、92歩成、同玉、
83金上、91玉、82金直まで441手詰

 馬ノコの王手に対する応手を限定させるために、その都度竜ノコを行って竜の位置を変えておく――という複合趣向。これも前例のある組み合わせで、新鮮さは感じないが、これだけの長大な作品に仕上げられた以上、評価するしかあるまい。感動はしないが感心した、と書いておけばよいだろうか。

佳作

第4問 馬屋原剛

正解
23龍、11玉、88馬、44と、13龍、21玉、
87馬、54と、23龍、11玉、77馬、44と、
13龍、21玉、76馬、54と、23龍、11玉、
66馬、44と、13龍、21玉、65馬、54と、
32と、同玉、23桂成、43玉、24成桂、44玉、
33龍、45玉、36龍、44玉、34成桂まで35手詰

 龍の左右往復を利用した複式ノコの簡潔な表現。合駒をするとカベが出来てしまうために、と金の往復が必須となる――という発見が、簡素な配置を実現した成功のカギか。目新しさはないが、完成度は評価したい。ただ、本局であれば、33竜(飛)、11玉にする2手逆算くらいはしていいと思うのだが、私の感覚がおかしいのか……。

第17問 やよい

正解
21歩成、同玉、31金、22玉、65歩、33と、
23歩、同玉、89馬、22玉、34桂、同と、
88馬、33と、23歩、同玉、78馬、22玉、
34桂、同と、77馬、33と、23歩、同玉、
67馬、22玉、34桂、同と、66馬、33と、
23歩、同玉、56馬、22玉、34桂、同と、
55馬、33と、23歩、同玉、45馬、22玉、
23歩、同と、44馬、33と、21金、23玉、
34金、14玉、15飛、同玉、16歩、25玉、
15金、36玉、96龍、同馬、47銀まで59手詰

 23歩、同玉、89馬、22玉、23歩、同と、88馬、33と――のサイクルかと思ったら、片方を桂捨てにして、歩を温存するサイクルには意表をつかれた。桂合の余地が生まれて変化も増えるし、それに伴って紛れも増えてしまうからだ。その点はうまく処理していると思うが、一方で配置に無理が生じて、収束が単純になってしまった気もする。努力賞、といった感じだろうか。

講評

第1問 negitarou

正解
11桂成、31玉、23桂、22玉、12香成、33玉、
66角成、23玉、56馬、33玉、55馬、23玉、
45馬、33玉、44銀、24玉、35馬、15玉、
16歩、同角、26銀、14玉、13成香、
まで23手詰

 個人的に、馬ノコである以上はルート2の移動を2回はして欲しい、と思っている。それを満たしていないのは別としても、一般に手筋として馬ノコを利用すると、時に冗長に見えてしまう傾向があるのは確かだと思っている。この図の場合、93角を97馬としても成り立つ気がするが、それらよりも53角とした図の方が印象が良くなる気がしてしまうのだが。

第2問 ミーナ

正解
32歩成、同角、13角、12玉、79角成、14角、
13銀、21玉、22歩、31玉、97馬、41玉、
96馬、31玉、86馬、41玉、85馬、31玉、
75馬、41玉、74馬、42玉、52馬、33玉、
32桂成、同角、42馬、34玉、24馬まで29手詰

 打った角が79に成り返り、その馬が97に展開して馬ノコで接近する――という構成が主眼と理解して良いのだろうか。しかし、79に質駒を置くのなら、もう少し軌跡に趣向を凝らしても、とは思ってしまった。それ以上に、65歩を54歩にしても基本的には問題がない(このままだと、13角に33玉で詰まなくなるが)という作り方は、私は余り好きになれない。

第3問 keima82

正解
54角成、22玉、55馬、21玉、65馬、22玉、
66馬、21玉、76馬、22玉、77馬、21玉、
12歩成、同玉、13桂成、同玉、24銀右、14玉、
15香、25玉、34銀、26玉、18桂、27玉、
28歩、37玉、59馬、46玉、37馬まで29手詰

 打歩詰め回避のための馬ノコ、というテーマは、これまでに何作か見ている(飛の遠打と組み合わせた桜井龍逢作あたりが第一号局だったか?)ので、この作品ならではのセールスポイントを探してしまうのだが、途中のツナギもやや安易に見えるし、何より79角をはじめとする配置のゴタゴタ感がどうしても気になってしまうのだ。

第5問 馬屋原剛

正解
12歩、21玉、98馬、54と、11歩成、同玉、
88馬、44と、12歩、21玉、87馬、54と、
11歩成、同玉、77馬、44と、12歩、21玉、
76馬、54と、11歩成、同玉、66馬、44と、
12歩、21玉、22歩、12玉、13歩、同玉、
33龍、14玉、23龍、15玉、48馬、16玉、
26馬まで37手詰

 簡潔表現その2だが、合駒制限の歩二枚の分、前作よりは印象が弱いか。58歩の配置が、合駒制限プラス馬が66まで接近する理由になっているのが工夫なのかも知れないが、それであれば、46歩の方は必然性が薄い(47歩でも詰むことは詰む。もちろん、それだけだと余詰むのだが)のがちょっと残念に思える。

第6問 本間晨一

正解
44銀、同香、65飛、同馬、同金、同玉、
74角、55玉、59飛、同と、56歩、45玉、
57桂、同と、55歩、同玉、88馬、45玉、
78馬、55玉、77馬、45玉、67馬、55玉、
66馬、45玉、56馬、同と、46歩、同と、
57桂、同と、46歩、55玉、47桂、同と、
67桂まで37手詰

 序盤が、57の退路に逃がさないようにするための、必然手に近い駒取りの連続に見えてしまうのが損な気がする。74角以降は、目新しさは感じないものの、狭いところでの折衝になるので、全体のバランスを崩しているように感じてしまうせいだろうか。それこそ、捨ててくれと言っている69飛も省いて、11手目から始める方が、85金も不要になるし、スッキリはすると思う(新作と云えるかは別として)。

第7問 風みどり

正解
43歩成、12玉、89馬、11玉、12歩、22玉、
88馬、12玉、78馬、11玉、12歩、22玉、
77馬、12玉、67馬、11玉、12歩、22玉、
66馬、12玉、56馬、11玉、12歩、22玉、
55馬、12玉、45馬、11玉、12歩、22玉、
44馬、12玉、34馬、11玉、12歩、同金、
同馬、同玉、23金、11玉、12歩、21玉、
32とまで43手詰

 (違う作者だが、)簡潔表現その3といったところか。一歩消費式の原型としてもあっていい作だとは思うが、結果として、例題に扱われることが多くなりそうに見えてしまうのは、作者には不本意かも知れない。

第8問 RINTARO

正解
21歩成、同玉、31歩成、同玉、42香成、21玉、
31成香、同玉、42香成、21玉、11角成、同玉、
99馬、21玉、98馬、11玉、88馬、21玉、
87馬、11玉、77馬、21玉、76馬、11玉、
66馬、21玉、65馬、11玉、55馬、21玉、
54馬、11玉、44馬、21玉、43馬、22玉、
32馬、13玉、14馬、22玉、32成香、11玉、
23桂まで43手詰

 11角成の一閃がすべて。この構図の馬ノコは余り見た印象がなかったのだが、それはこの収束の印象が悪いせいの気がしてきた。発展性がないのを、この作品の欠点とするのは違うのは承知しているのだけれど。

第9問 角建逸

正解
23銀、21玉、31歩成、同角、32銀不成、12玉、
13歩成、同角、23銀不成、21玉、43馬、11玉、
44馬、21玉、33桂、同桂、43馬、11玉、
33馬、21玉、43馬、11玉、44馬、21玉、
33桂、11玉、41桂右成、21玉、43馬、11玉、
33馬、21玉、32銀不成、12玉、34馬、22玉、
23銀不成、21玉、12銀不成、32玉、33歩、22玉、
23馬まで43手詰

 狭いところでの折衝で、まとまってはいるけれど、これを馬ノコという観点で評価するのは違う気がする(作者自身、一番よく判っておられるだろうが)。仕方ない(43馬に32歩合とされると詰まないので)のは承知していても、手順を並べたあとで、35歩の配置が勿体なかったよね、と思うのも確かか。

第10問 RINTARO

正解
32金引、13玉、23銀成、同玉、89馬、13玉、
79馬、12玉、78馬、13玉、68馬、12玉、
67馬、13玉、57馬、12玉、56馬、13玉、
46馬、12玉、45馬、13玉、35馬、12玉、
34馬、23桂、同馬、同玉、33角成、同と、
同金寄、13玉、25桂、24玉、35金直、14玉、
13桂成、同玉、14歩、同玉、25金上、13玉、
24金直、12玉、22金寄まで45手詰

 四金詰との複合条件。馬ノコを少ない駒数で成立させている点は評価したいが、この詰め上がりの四金詰を、私が余り評価していない(四金での詰め上がりに必然性を感じない――それを言ったら、必然性のある四金詰があるのか、と問われそうだが――)ため、成功しているとも云い難い。好きな人はいるはずで、私との相性が悪かったと思って戴ければ。

第11問 奥鳥羽生

正解
33桂、11玉、41桂成、21玉、54馬、11玉、
55馬、21玉、65馬、11玉、66馬、21玉、
76馬、11玉、77馬、21玉、31成桂、同玉、
33香、42玉、32香成、51玉、95馬、61玉、
71と、同玉、81香成、61玉、94馬、51玉、
84馬、61玉、83馬、51玉、73馬、62桂、
同馬、同玉、54桂、51玉、42成香、61玉、
62歩、72玉、82香成まで45手詰

 左翼に展開するために一旦遠ざけ、展開後に改めて馬ノコを行う――という構成は分かるのだが、一方で、無雑作に見える配置が幾つかあって、素直に手順を楽しめない気がする。75歩は、馬を77まで遠ざけるための役割しかなさそうだし、34香は香合回避に香打の位置限定の意味を加味したのは分かるが、むしろ効率の悪さを印象づけていないか。別な配置にして、34香、33歩――といった展開は選べなかったのだろうか。

第12問 ゼロの秘球

正解
79金、同玉、68銀、88玉、89金、97玉、
98香、同馬、同金、96玉、52角、74銀、
同角成、同香、87金、95玉、86金、94玉、
85金、93玉、84金、92玉、83金、81玉、
27馬、91玉、37馬、81玉、36馬、91玉、
46馬、81玉、45馬、91玉、55馬、81玉、
54馬、91玉、64馬、81玉、63馬、91玉、
73馬、81玉、92銀、同龍、同金、同玉、
91飛まで49手詰

 52角~74銀の折衝にはちょっと面白みも漂うが、それまでとそれ以降の展開が分離していて、全体的な統一感が感じられない印象が残った。そもそも、中盤以降は、原潜作の飛角図式版そのままに見えてしまうだけに、冗長な前半をくっつけたように見えるのは、もったいないと思う。

第13問 川蝉

正解
65馬、91玉、64馬、92玉、65馬、91玉、
55馬、92玉、56馬、91玉、46馬、92玉、
47馬、91玉、37馬、92玉、38馬、91玉、
28馬、92玉、38馬、91玉、37馬、92玉、
47馬、91玉、46馬、92玉、56馬、91玉、
55馬、92玉、65馬、91玉、83桂、82玉、
71桂成、同玉、63桂、61玉、62歩、52玉、
64桂、63玉、55桂、62玉、51銀不成、同玉、
42銀成、同玉、43桂成、41玉、52桂成、31玉、
32成桂まで55手詰

 この種の配置に前例があるのは知っているけれど、私には64から37に並んだ桂馬の意味が分からない(64桂にはサイクル数を増やす意味があるとはいえ……)。これらを最初から持駒にしていては、いけないのだろうか――。花駒を並べてまで表現したかった何かがあると思うのだが、解答者に伝わりにくいように思った。

第14問 馬屋原剛

正解
34歩、同角、44馬、32玉、54馬、43角、
33歩、同玉、34歩、同角、55馬、32玉、
65馬、43角、33歩、同玉、34歩、同玉、
56馬、33玉、34歩、同角、66馬、32玉、
76馬、43角、33歩、同玉、34歩、同玉、
67馬、33玉、34歩、同角、77馬、32玉、
87馬、43角、33歩、同玉、34歩、同玉、
78馬、33玉、34歩、同角、88馬、32玉、
98馬、43角、33歩、同玉、88馬、32玉、
33香まで55手詰

 普通の複式ノコかと思ったら、2サイクル目から三連ノコになる点にちょっと意外性を感じた。ただ、1サイクルで2歩消費するために馬ノコの意味づけに苦労したのだろうか、やはり収束が呆気なさ過ぎるのだけが印象が良くない。そのせいで、舞台の大きさだけが強烈になり、99金や61桂の配置なども、中途半端に見えてしまうようだ。

第15問 Alexander Kalenov

正解
63飛、72玉、61銀不成、81玉、72銀成、同角、
83飛成、同角、63角成、82玉、91飛成、同玉、
93香、82玉、73金、71玉、53馬、81玉、
54馬、71玉、44馬、81玉、45馬、71玉、
35馬、81玉、36馬、71玉、26馬、81玉、
27馬、71玉、17馬、81玉、27馬、71玉、
26馬、81玉、36馬、71玉、35馬、81玉、
45馬、71玉、44馬、81玉、54馬、71玉、
63桂、81玉、51桂成、71玉、81馬、同玉、
82歩、71玉、63桂まで57手詰

 序盤の銀捨て~飛捨てのあと、馬ノコの舞台作りをする辺りまでは、中編作らしい切れ味も漂わせるが、馬ノコが始まってからは、定型の展開になってしまう(54まで戻る意味も常識の範囲内だ)のが惜しまれる。17桂は馬ノコの質駒以外に見えないし、作意を辿ると87桂の意味がボケるのも勿体ないと思った。73金に93玉と応じる流れが本筋ではなかったのだろうか。

第16問 RINTARO

正解
39金、18玉、19歩、同玉、37馬、18玉、
36馬、19玉、46馬、18玉、45馬、19玉、
55馬、18玉、54馬、19玉、64馬、18玉、
63馬、19玉、73馬、18玉、72馬、19玉、
82馬、18玉、81馬、19玉、91馬、18玉、
81馬、19玉、82馬、18玉、72馬、19玉、
73馬、18玉、63馬、19玉、64馬、18玉、
54馬、19玉、55馬、18玉、45馬、19玉、
46馬、18玉、36馬、19玉、37馬、18玉、
29金、同龍、19歩、同龍、27馬まで59手詰

 盤面七色図式、ということだと思うのだが、それが加点項目になるのか、私には判らなかった。この構図自体は既視感がある(山腰氏あたりになかったか?)ので、新作を主張する点が殆ど感じられないのも印象は良くない。

第18問 武田裕貴

正解
43馬、22玉、31馬、同玉、34飛、22玉、
44馬、21玉、54馬、22玉、55馬、21玉、
65馬、22玉、66馬、21玉、76馬、22玉、
77馬、21玉、87馬、22玉、88馬、21玉、
98馬、22玉、88馬、21玉、87馬、22玉、
77馬、21玉、76馬、22玉、66馬、21玉、
65馬、22玉、55馬、21玉、54馬、22玉、
44馬、21玉、43馬、22玉、32飛不成、13玉、
12飛成、同玉、13歩、22玉、33金、11玉、
12歩成、同玉、23金、同玉、24香、13玉、
14歩、12玉、21馬まで63手詰

 簡素な形から、いきなりに馬捨て2発は強烈だが、他に手もないだけに、うまく構成したな、という印象に止まるか。肝心の馬ノコは、むしろこの舞台だと、冗長に見えてしまい印象を良くするには至らない気がする。あるいは、解答募集には向かない作品の典型なのかも知れない。

第19問 RINTARO

正解
12歩、同飛、99馬、22飛、12歩、同玉、
89馬、11玉、12歩、同飛、88馬、22飛、
12歩、同玉、78馬、11玉、12歩、同飛、
77馬、22飛、12歩、同玉、67馬、11玉、
12歩、同飛、66馬、22飛、12歩、同玉、
56馬、11玉、12歩、同飛、55馬、22飛、
12歩、同玉、45馬、11玉、12歩、同飛、
44馬、22飛、12歩、同玉、34馬、11玉、
23桂、12玉、31桂成、23銀、21角、同飛、
同銀不成、22玉、32飛、同銀、同成桂、同成香、
同銀成、同玉、43銀、21玉、22歩、11玉、
12歩、22玉、24香、31玉、32歩、41玉、
52銀不成、32玉、43馬、31玉、21香成まで77手詰

 (17)の工夫を褒めた立場だと、前例の多いこのそのままなプロットを評価する気にはなれない。収束も、41成香を配置しながら61桂の余詰防ぎも必要になる手順では、成功とは云えない気がする。細かい話だが、32飛から清算する際も、詰方の順は非限定なのに、玉方は同銀が先に限定、というのも美しくはない気がする。

第20問 馬屋原剛

正解
93金、71玉、35馬、61玉、34馬、71玉、
44馬、61玉、43馬、71玉、53馬、61玉、
52銀不成、72玉、54馬、62玉、63銀不成、61玉、
72銀不成、52玉、43銀不成、41玉、63馬、31玉、
64馬、41玉、74馬、31玉、75馬、41玉、
74馬、31玉、64馬、41玉、63馬、31玉、
53馬、41玉、52銀不成、32玉、54馬、42玉、
43銀不成、41玉、32銀不成、52玉、63銀不成、61玉、
43馬、71玉、44馬、61玉、34馬、71玉、
35馬、61玉、62歩、71玉、82金、同玉、
93香成、71玉、61歩成、同玉、34馬、71玉、
44馬、61玉、43馬、71玉、53馬、61玉、
52銀不成、72玉、54馬、62玉、63銀不成、61玉、
72銀不成、52玉、43銀不成、41玉、63馬、31玉、
64馬、41玉、74馬、31玉、75馬、41玉、
42歩、31玉、22と、同玉、13香成、同玉、
57馬、24香、同馬、同玉、94飛、35玉、
34飛、45玉、47香、46歩、同香、同玉、
57金、45玉、47香、55玉、54銀成、65玉、
64成銀、76玉、67金、85玉、86歩、95玉、
94成香、同玉、73成銀、84銀、83銀不成、93玉、
82銀不成、94玉、84飛、同玉、76桂、95玉、
96銀、94玉、85銀、95玉、96とまで137手詰

 馬の左右ノコを行う際、それぞれが57の質駒をにらんで遠ざかる、というのはちょっとした工夫かも知れない。初画面での75歩がすべてを語っていることに、あとで気が付くのだが、改めて手順を追うと、75歩の入手が歩を稼ぐ意味と57馬を可能にする意味の両方を兼ねているような気がしてしまうのは、構想の純粋性から行くと損だったかも知れない。

第21問 馬屋原剛

正解
44飛、36玉、46飛、27玉、38金、同歩成、
28歩、同と、47飛、36玉、37飛、同玉、
64馬、36玉、46馬、27玉、28馬、36玉、
46馬、27玉、45馬、37玉、55馬、36玉、
37歩、27玉、54馬、37玉、64馬、36玉、
37歩、27玉、63馬、37玉、73馬、36玉、
37歩、27玉、72馬、37玉、82馬、36玉、
37歩、27玉、81馬、45桂、同馬、37玉、
55馬、36玉、37歩、27玉、54馬、37玉、
64馬、36玉、37歩、27玉、63馬、37玉、
73馬、36玉、37歩、27玉、72馬、37玉、
82馬、36玉、37歩、27玉、81馬、45桂、
同馬、37玉、55馬、36玉、37歩、27玉、
54馬、37玉、64馬、36玉、37歩、27玉、
63馬、37玉、73馬、36玉、37歩、27玉、
72馬、37玉、82馬、36玉、37歩、27玉、
81馬、45桂、同馬、37玉、46馬、27玉、
28馬、36玉、37歩、45玉、44金引、55玉、
67桂、64玉、76桂、73玉、85桂、72玉、
18馬、71玉、82金、61玉、72馬、51玉、
73馬、62銀、同馬、同玉、63銀、同玉、
55桂、62玉、53銀、同銀、同金、同玉、
43桂成、62玉、53銀、63玉、64銀成、62玉、
53成銀、51玉、52成桂まで141手詰

 一歩消費式の馬ノコで香を取りに行くが、玉方は寸前で桂の捨合で逃げる、という構成で、結果的に歩三枚と桂を持駒変換するという作品。軽妙な導入やよく捌ける収束はうまく出来ているのだが、(馬ノコ部分は違うにしても)藤本和「夢の旅人」などの先例をイメージしてしまうと、素直に評価していいものか迷うのも確かだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください