昨日の第4問の参考図を紹介するのを忘れたので、桜井作の鑑賞からはじめよう。
桜井龍逢 風ぐるま1954.8
★過去作を知っている人と知らない人で、新作の評価が変わってくるのは当然のこと。第4問に対するJudgeの講評を読んで「厳しい」と感じた方も、本作を知った上でもう一度読み返してみるとまた違った感想になるかもしれない。
第5問 馬屋原剛
正解
12歩、21玉、98馬、54と、11歩成、同玉、
88馬、44と、12歩、21玉、87馬、54と、
11歩成、同玉、77馬、44と、12歩、21玉、
76馬、54と、11歩成、同玉、66馬、44と、
12歩、21玉、22歩、12玉、13歩、同玉、
33龍、14玉、23龍、15玉、48馬、16玉、
26馬まで37手詰
★馬の王手にはと金の移動合で応じて、玉移動に歩打・歩成捨を利用するパターン。作者はこのタイプの盤面最小駒数を狙ったとみて間違いないだろう。
★前作と違いと金の移動合で応じるのは歩以外の駒では簡単に詰むから。歩合ができると詰まないので二歩禁の利用が必要になる。その歩の配置で収束を完成させたのは作者の高い技量だ。しかも惰性で65馬まで進めてしまうと詰まないという罠まで用意するとは!
RINTARO 4に同じく好みです。
竹中健一 収束を考えたらひらめいた。
占魚亭 27手目に65馬としてやり直し。
松崎一郎 馬鋸のやめ時と22歩のタイミング。
まつきち 歩を消費しながら馬が近づく。66馬でストップするのが目的というのは面白い。
negitarou 6六馬の位置から収束に突入するのが、なかなか見えませんでした。(玉方の歩がうまく配置されていますね。)
keima82 前作とは異なり、さすがに二歩禁のための歩を配置せざるを得なかったようですが、それでも盤上の駒数は前作より少なく、脱帽です。
空貴人 12歩 21玉 98馬 54と 11歩成 同玉 88馬 44と 12歩…の順と思っておりますが、単に進めると、うまくいかないですねというところまではわかりました
★解けなくても短評をくれるとは作者も(私も)ありがたい。皆さんも、真似しましょう!
第6問 本間晨一
正解
44銀、同香、65飛、同馬、同金、同玉、
74角、55玉、59飛、同と、56歩、45玉、
57桂、同と、55歩、同玉、88馬、45玉、
78馬、55玉、77馬、45玉、67馬、55玉、
66馬、45玉、56馬、同と、46歩、同と、
57桂、同と、46歩、55玉、47桂、同と、
67桂まで37手詰
★難解作。解答者3名。
★初手は44銀しかないようだが変化が結構深く難しい(作者は「同玉は34飛で早い」と書いてあるのだけど、勘違い?)。次に65飛とゴリゴリに駒交換していくのも他に手がないとは言えやりにくい。作者がこのような序を入れたのは次の手が狙いの一手だからだ。
★83角と打ちたい形だが74角の短打。そのココロは74玉の変化で96角と展開する必要があるからだ。
★68とを移動させておいて15手目55歩で馬鋸の形が現れる。56に横利きのない駒を合したら46歩~88馬だ。馬鋸の目的は近接して56馬と捨てること。すなわち55-88ラインで王手した後に馬は打歩詰の原因となる邪魔駒になっている。45玉の形のまま馬を消したいというわけ。
竹中健一 取ってもらうための馬鋸ってすごい。
占魚亭 詰上りを見越した受方と金2枚の利き逸らし。鋸移動で馬を捨てる構成になっている所もいいですね。
keima82 馬鋸の主役となる馬が実は邪魔駒!9手目の☗59飛や収束も文句なし。ただ、個人的には最初の6手は入れない方が良かったと思います。
★Judgeも頭10手を削った方がいいという講評だった。そして(新作と云えるかは別として)とあったのは次の図があるから。
本間晨一「堅田の落雁」詰パラ1994.11
★24銀、同香、36歩、25玉、37桂、同と、35歩……まで進めれば、後は判るだろう。
★つまり作者は「堅田の落雁」に75角の限定打・59飛の伏線を加えて新作を主張したのだが、その部分はあまり評価されなかったようだ。
☆なお、「詰将棋つくってみた」は偉そうに「未発表に限ります」としています。本作は「ぎり新作」という判断でした。既発表作の改良図・修正図などは……今度大募集してみましょうか?
第7問 風みどり
正解
43歩成、12玉、89馬、11玉、12歩、22玉、
88馬、12玉、78馬、11玉、12歩、22玉、
77馬、12玉、67馬、11玉、12歩、22玉、
66馬、12玉、56馬、11玉、12歩、22玉、
55馬、12玉、45馬、11玉、12歩、22玉、
44馬、12玉、34馬、11玉、12歩、同金、
同馬、同玉、23金、11玉、12歩、21玉、
32とまで43手詰
★1歩消費型の馬鋸。23馬としてしまうと31玉で23桂ができないというのが馬鋸成立の仕組み。余詰防ぎの35歩が痛い。
★5手目の変化で収束まで見えてしまうのが弱点だが……うまい改良案ありますかね?
松崎一郎 ”オススメ”の通りでした。
占魚亭 馬鋸入門にぴったりな作品。
RINTARO いいですね。こういう作品。
松澤成俊 馬鋸の原点みたいな図ですね🤣
竹中健一 一番シンプルでこの企画には最高
まつきち 馬の目的は清算に持ち込むことだった。
空貴人 初手で生じた『と』が最後に動いて詰上がる流れに印象が残りました
negitarou 予想以上にサクサク解けました。「歩の間接捨て」が面白かったです!
ぎょうざパン 「オススメ」を見て取り掛かりました。馬鋸、解けると気持ち良いですね。
keima82 単純な機構ながら面白い趣向。初手を馬動かしではなく開き王手にすることで、馬を99の位置からのスタートにできるのは参考になります。
第8問 RINTARO
正解
21歩成、同玉、31歩成、同玉、42香成、21玉、
31成香、同玉、42香成、21玉、11角成、同玉、
99馬、21玉、98馬、11玉、88馬、21玉、
87馬、11玉、77馬、21玉、76馬、11玉、
66馬、21玉、65馬、11玉、55馬、21玉、
54馬、11玉、44馬、21玉、43馬、22玉、
32馬、13玉、14馬、22玉、32成香、11玉、
23桂まで43手詰
★6手目までは誰もが進めるだろう。89馬を活用するには11-99ラインで王手するしかなさそうだが、そのためには44香が邪魔のようだ。で、消去したら、もう11角成とやるっきゃない!それで次の図。
★なんとこれだけで詰むのかという発見。確かに間駒したら早い。22玉と逃げざるを得ないが少しでも延命しようと玉方が選択する馬鋸。
松崎一郎 99の成桂取るには馬の利きを通してから。
占魚亭 サクサク軽快。本作も馬鋸入門にぴったり。
竹中健一 成桂配置はちょっと残念だけど仕方ないのかなぁ
空貴人 手順が限られているので、何とかなりそうな雰囲気ですが…
まつきち 36手目11玉が作意かと思った。手数順並びで助かった(笑)
negitarou 11手目(1一角成)が好きです。持駒が桂馬1枚でも、仕留めることができるんですね。
keima82 馬鋸に入ってからの駒数はたったの5枚!こんな簡単に馬鋸って出せるのですね…。ただ、最後に馬が置いてきぼりを食らったのは惜しい。☗15歩→☖24桂としてどうか…と思いましたが、変同ですね。。
※これから詰将棋解答選手権初級一般戦の打合せがあるので、今日もここまで!
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