詰将棋雑談(50) 純四桂詰

詰将棋入門(108)純四桂詰に対応する(?)雑談として、純四桂詰の主要作品を雑談で取り上げる予定だった。
しかし、以前ここがまだ「風みどりの玉手箱」だった時代に1回やったことを思い出してとりやめた。
このエントリーはタイトルだけの下書きのままで4ヶ月眠っていた。
でもよく考えてみれば、前回のエントリーは恐らく添川公司「奇兵隊」の解説を書くための下調べだ。
すなわち、もう10年も前のエントリー。
だったら、もう一度取り上げてもいいだろう。

というわけで本日は純四桂詰をいくつか並べて楽しもう。

新ヶ江幸弘 近代将棋1980.4

トップバッターは純四〇詰を完成させた新ヶ江幸弘から。
氏には「純四桂詰の研究」という論文があり、『詰研会報』に掲載された。

中村雅哉 近代将棋1988.5

純四桂詰は曲詰の一種だから逆算で創作するのだろう。
逆算で作る場合、何処で切り上げるかという判断を作者はしなければいけない。
中村雅哉は歩なし全駒をその切り上げ時に選んだ。

飯田岳一「氷の死刑台」 近代将棋1988.5

逆算の切り上げ時を見失ったら全駒までいってしまうのだろうか。
勿論そんな事はなく、全駒まで逆算することを目標に創作するのだろう。

斎藤吉雄 詰パラ1993.9

歩なし全駒にせよ全駒にせよ、〇〇図式という初形条件にまったく興味を持たない作家もいる。
筆者も〇〇図式が創れないからというのもあるが、その遺伝子を少し持っているようで、序盤に無意味な駒交換を挿入していかにも〇〇図式に仕上げましたという作品を見るとかなり萎える。

斎藤吉雄の作品は純四桂詰なら桂馬を主役で作品を仕上げろという主張が溢れている。

添川公司「奇兵隊」 詰パラ2010.11

そして最後はそういった主張も飲み込んでしまう有無を言わせぬ完成度のこの作品である。
純四桂詰をうかがわせる配置は41桂のみ!
(気がつけば4作品とも41桂だ……)

作者 桂を8,9段目から打つことに拘りました。

序盤にも63歩消去の変化伏線。駒を消すだけなんて言わせないという迫力を感じる。

野口賢治 「夢を見ているのでしょうか」という有名な台詞が昔あったが、現代の添川マジックにかかると「余に不可能なし」の超有名な台詞に格上げしても良さそうだ。

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