「柏川悦夫」タグアーカイブ

詰将棋雑談(85) 誤解者多数

詰将棋つくってみたの課題24が罠のある詰将棋ということで、ちょっと雑談をしよう。

まず誤解者が解答発表をみての反応には大きく二通りあると思われる。

  • おぉ! そうだったのか。やられたぁ。これは素晴らしい!
  • あれ? ちゃんと詰ましたのになんで誤解なんだヨ!

作家は当然ながら上の反応をめざした創作をしなくてはならない。

下の反応は変別がらみででてくる誤解だ。これは避けられない場合もあるが……。

筆者は昔、誤解狙いで「変化曲詰」という創作を試みたことがある。
つまり一見曲詰なのだが、実は捨合をすると長くなり駒は余らないが曲詰にはならない。
想定される読者の反応は次のようなものだろう。

あれ?ここで間駒すると手数かかるみたいだけれど、まぁ曲詰が作意だよね。
(解答発表をみて)
なに?俺が誤解だって。
気を遣って曲詰になるように解答してやったのに、なんて仕打ちだ。
もうこの作者のアンチになってやる。

投稿は見合わせました。わざわざ評判を落としては作品を発表する意味がない。

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詰将棋雑談(46) 柏川悦夫の軽趣向姉妹作

いったいどれだけ『駒と人生』から引用すれば気が済むのか……あと1作、これだけ許してください。
詰将棋入門(119)で柏川悦夫の4枚の金を捨てる軽趣向作を取り上げました。
実は『駒と人生』にはあの作品と対をなす可愛らしい作品があるんです。
でも、いくらなんでも『駒と人生』からの引用が多すぎる。自粛しよう!
と思っていたのですが、その後詰将棋雑談(43)を書きました。
もうこれはこの作品を紹介する流れでなくてなんでしょう。
というわけで今日はこの作品を並べましょう。
易しいので、もし初見の方は解いてみることをお薦めします。
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詰将棋入門(119) 軽趣向

柏川悦夫『駒と人生』第74番 詰パラ 1959.12改

もう柏川悦夫の作品は全部紹介したいくらい好きなものが多いのだが、それをやっては著作権侵害になるだろう。(わからないが)
そこで好きで好きで仕方ない作品だけを紹介することになるのだが、(入門者ではない)読者の中には「なんでこの作品を紹介せんのだ。鑑賞力がおかしいんとちゃうか?」と憤慨している方も少なからずいらっしゃるに違いない。
そういう場合はサイドバーで原稿募集中と宣伝しているが[A]忘れ得ぬ詰将棋のカテゴリーで、“なぜこの詰将棋が素晴らしいのか”を言語化した上で、投稿してください。お待ちしています。
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詰棋書紹介(94.4) 特別懸賞出題[2] 結果発表<第4問>

詰棋書紹介(94)

【問題】
次の作品の狙いの一手を答えてください。

という出題をした。
「狙いの一手」は鑑賞者の主観によるので正解というものはない。

<第4問>

柏川悦夫 『新まりも集』第100番 近将1964.8

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詰棋書紹介(94.3) 特別懸賞出題[2] 結果発表<第3問>

詰棋書紹介(94)

【問題】
次の作品の狙いの一手を答えてください。

という出題をした。
「狙いの一手」は鑑賞者の主観によるので正解というものはない。

<第3問>

柏川悦夫 『詰』第99番 詰パラ1967.3


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詰棋書紹介(94.2) 特別懸賞出題[2] 結果発表<第2問>

詰棋書紹介(94)

【問題】
次の作品の狙いの一手を答えてください。

という出題をした。
「狙いの一手」は鑑賞者の主観によるので正解というものはない。

<第2問>

柏川悦夫 『詰』第95番 詰パラ1965.4


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詰棋書紹介(94.1) 特別懸賞出題[2] 結果発表<第1問>

詰棋書紹介(94)

【問題】
次の作品の狙いの一手を答えてください。

という出題をしました。
4回に分けて発表をします。
……正解発表としなかったのは、お解りのようにあくまでこれは鑑賞者の主観によるからです。

ちょっと変わった出題でしたが、占魚亭さん、山路大輔さん、オオサキさんの3名から回答を頂きました。
各題1名に賞品を差し上げるとしましたので全員当選です。(山路さんは住所をお知らせください)

さて、それでははじめます。(文体が変わります)

<第1問>

柏川悦夫 『詰』第4番 詰パラ1966.3

41飛成、同玉、33桂、同桂、63角、同飛、42金まで7手詰

『詰』を繙いても、この作意手順の記載しかない。
まずは客寄せに選んだ問題だ。

占魚亭 3三桂
山路大輔 4手目同桂なら63角捨て、31玉なら13角捨て。この対比(変化の13角)が狙いでしょうか。
オオサキ 狙いの一手は初手。63桂、同飛、73角が62飛の移動合で逃れる偽作意になっている。

もう一度断っておくが、客観的な正解はない。
作品を世間に送り出した以上、作者にさえ「この作品の狙いはこれだからそのように鑑賞しなさい」という権利はないのだ。(悲しいけど)

占魚亭さんと山路さんの鑑賞は近いようだ。
33桂で分岐して、同桂なら63角、31玉なら13角。
なるほど。
対比という概念の範疇かどうかは本作に関しては私には判断できないが、角の打捨てを1つの作品で2通り味わってもらうという表現ならよく理解できる。
63角は52飛の有効機能をキャンセルし、13角は21桂の優占機能をキャンセルする捨駒だ。
駒の一般機能表の用語です)

私の解釈はオオサキさんと一致する。
冒頭の2手はなぜあるのかを考える。
狙いの33桂を初手にしたくなかったから?
それで駒取りの初手を入れるだろうか?

初形を見て、いきなり41飛成とは行きたくない。
(だから初手41飛成は意外なのだが)
それは
63桂、同飛、73角、同飛、41飛成、同玉、42金まで7手詰
という見せ手が存在するからだ。

そこで私が想定していた正解は次の通り。

紛れ順の62飛

ちなみにこの作品、「7手詰コンクール」の予選に出場したが規定投票数に達しなかったので入選回数は計上されたが、解答募集はされていないようだ。
もし解答募集されていたら誤解者がどれくらいいたのかは闇の中。